普段、美容師がお客様に”市販のシャンプー”をオススメする事は絶対にありません。今回はそんな「絶対にありえないタブー」を犯し、皆様に市販のシャンプーのオススメや効果を紐解いてご紹介したいと思います。
まずそもそも市販のシャンプーとサロン専売品の何が違うの?金額も全然違うけど内容成分などはそんなに違うの?などシャンプーの小ネタもおり混ぜながらお伝えして参ります。
〜シャンプーの種類〜
現場の美容師はよく〇〇○系シャンプーという言い方をします。
それには主に6種類あり、そのシャンプーがどの髪質に合っているか、不向きであるか、その理由を解説していこうと思います。
【アミノ酸系シャンプー】
この【アミノ酸系シャンプー】の特徴の1番は”頭皮への刺激の優しさ”です。
具体的に言うと頭皮が乾燥しやすく、フケや痒みが気になる方。頭皮が乾燥すると生えてくる髪の毛も乾燥してたり乾燥しやすかったりします。こういったお悩みの方が刺激の強い=洗浄力の強いシャンプーを使うと、よりフケが出やすくなったり頭皮が痒くなる傾向にあります。
少しでも「乾燥」に対し心当たりがある方はこの【アミノ酸系シャンプー】がオススメです。
逆にオイリーでギトつきやすい方や、洗い上がりの爽快感に重きを置く方には物足りないかもしれません。
【ベタイン系シャンプー】
こちらも低刺激が特徴な【ベタイン系シャンプー】。植物由来の成分から作られているので乳児用シャンプーに使われていたりするくらいの低刺激。【アミノ酸系シャンプー】同様、乾燥やフケ、痒みなどが気になる人向け。
スタイリング剤をしっかりつけるメンズのショートヘアの方や、トップがふんわりしにくい、ベタつきやすいが気になる女性にはあまり向いてません。爽快感は正直あまり感じず、泡立ちは弱い印象なのですが、敏感肌な方などにオススメです。
【タウリン系シャンプー】
こちらは適度な洗い上がりの爽快感、加えて敏感肌な方にも負担の少ないのが特徴。
頭皮への負担も大きくありませんが、市販シャンプーの中では価格が少し高い気がします。
髪の毛へのきしみなどもあまり感じないので、頭皮や洗い上がり、洗髪時の泡切れなどを気にする方に万能で使い易いのではないかと思います。
【高級アルコール系シャンプー】
泡立ちがよく洗浄力、洗い上がりの爽快感も◎スタイリング剤をしっかりつけたり、ヘアオイルをつけてハーフウエット仕上がりを頻繁にするお客様、運動をしたり汗をかきやすい方などにオススメです。一方で洗浄力の強さが乾燥肌の方にとっては少し刺激が強く、頭皮の油分を取りすぎる事も。
頭皮の油分を取りすぎると細かいフケや、乾燥による頭皮の痒みの原因になる事もあるのでしっかりご自身の「肌質」を知る必要があります。
【石鹸系シャンプー】
石鹸素地などを使用していて、環境への配慮もできているシャンプー。
大きな特徴は洗浄力。皮脂をしっかり洗い流す事ができるが、割に刺激は低刺激なので使用し易いかと思います。ですが洗浄力の強さ故に油分を取りすぎ、仕上がりの髪のきしみや毛先のパサつきが少し気になる事も。髪の質感よりも頭皮に重点を置く方には良いかと思います。
トリートメントでしっかりアフターケアをできるのであればきしみやパサつきに対しても対処できるかと思います。
【医薬部外品シャンプー】
厚生労働省の許可したシャンプーで薬用シャンプーがメイン。
「予防」「防止」を謳うことのできる唯一のシャンプー。
フケ、痒み予防をし、頭皮の臭いを抑える事ができるので頭皮トラブルを改善するのにはもってこいのシャンプー。
頭皮や毛髪への有効性、安全性が認められている一方「ハイダメージ」や「パサつき」など、ヘビーな髪の悩みに対処するのは難しい。
頭皮の気になる悩みに直接効果が欲しい方にはとても良いと思います。
〜シャンプー選びの5つのポイント〜
①自身の肌質を知る…
【普通肌】油分、水分の量がバランス良く、適度なツヤがあるのが特徴。
肌のキメが細かく滑らかで、女性の場合ファンデーションのノリが良くよれにくい。
毛穴も気になりにくくTゾーンくらいしか目立たない。
【乾燥肌】油分量が少なく水分量も少ない。キメは細かく見えるが浅い。
頭皮は痒い事があり、細かなフケが出やすい。頭皮の髪の立ち上がりは良いが、毛先がパサつきやすく広がる傾向がある。他、静電気が起きやすい。
【油性肌(オイリー肌)】油分が多く水分も多い。潤いがあり弾力もあるのが特徴だが、キメが荒い。Tゾーンのベタつきや頬の毛穴の開きが目立ちやすく黒づみなども目立ちやすい。
頭皮の場合、根本の立ち上がりが悪くペタっとした印象を受ける。
毛髪は比較的、普通毛寄りでパサつく印象はあまりない。カラーリングやパーマなどの薬剤の効きが少し悪く効果が弱く感じる。
【混合肌(インナードライ)】油分量は多く水分量はすくない。少しキメは粗目でTゾーンや頬の毛穴の開きが目立つ。肌は硬く全体的にカサつく印象。女性の場合ファンデーションが崩れやすい。
②自身の肌質に合う性質のシャンプーを知る、選ぶ
【乾燥】には【保湿】、【オイリー】には【洗浄】
と、ご自身の肌質に対し相応の特徴を持つシャンプーを当てはめる事が大切。
例えば、頭皮がベタつきやすく比較的オイリー肌だと感じる方には度合いに合わせ【タウリン系シャンプー】【高級アルコール系シャンプー】【石鹸系シャンプー】などを選択するといいと思います。
③髪の毛の状態で選ぶ
【乾燥、静電気が気になる方】…圧倒的に水分が足りていない状態なので「保水力、保湿成分」などと謳う商品が◎効果が出てくるとパサつきがましになり、静電気も起きにくくなります。
【ダメージが気になる方】…ダメージの種類も様々です。今の時代に特に多いのが”ヘアアイロン”や”コテ”などの熱によるダメージ。
タンパク変性という髪の内部から水分が抜けてしまう事が原因で起こる状態です。効果がでるシャンプーは「保湿成分」。
とにかく熱で飛んでしまった水分をいかにして補充できるかがPOINT。
次にカラーリングやパーマなど、薬剤によるダメージ。
髪の毛は弱酸性です。ですがカラーリングやパーマなどで使用する薬剤の殆どはアルカリ性。
これが髪の毛が痛む理由です。このような状態に効き目があるのは【修復作用】【補修成分】【集中ケア】などと記載のあるシャンプーです。
最後はエアコンや日常の空気の乾燥、濡れ髪で寝てしまうなどの摩擦によるダメージ。
特に摩擦などで起きたダメージは髪の表面部分の損傷があるので、ハリコシを補強する【ケラチン系】がオススメです。
④香りとコスパを重視
どれだけいい商品を使ってもお財布事情で長く使い続けれない商品は正直使って言ってしんどいですよね。
香りもとても重要。風で髪がなびく時、すれ違い様に良い香りだとつい振り向いてしまうのが異性です。
コスパについて少しお話しします。1人¥2,980の食べ放題のお肉と1人¥10,000するお肉、どちらが美味しいかでしたら想像しやすいかと思います。
市販で売られているシャンプーのお値段は¥500〜見かけます。勿論高ければいい訳ではありません。しかし”安さ”には必ず理由があります。私はよくサロンで「ドンキホーテやマツモトキヨシ」などのシャンプーをオススメします。※本当はあまりしない方がいい
理由はドンキホーテやマツモトキヨシには「元サロン専売品」の型落ち商品が売っているからです。香りはテスターで匂わせてもらうしかないとは思いますが、どうせ使うなら安くていいシャンプーを使いたいですよね。
⑤シリコンが含まれるか含まれないか
ひと昔、サロンで「TSUBAKIやASIENCE」を使っているお客様お断りといったサロンがありました。理由はそれらのシャンプーに含まれる”シリコン”です。
シリコンの粒子の細かさによるのですが、シリコンによりカラーリングやパーマが髪に作用しないといった問題が現場ではよく見受けられました。
後ほど詳しくご説明しますが、シリコンとは基本【保湿剤】なのです。シャンプーを PUSHした時にドロッとしますよね。あの”ドロっと”の理由がシリコンが入っている事の示しなのです。
ですのでその後【ノンシリコンシャンプー】が市販で爆発的に売れていました。
この様な理由からシリコンが含まれるか、含まれないかをシャンプー選びのポイントに置く方も多いそうです。
〜シャンプーでよく耳にする【シリコン】って何?〜
「〜メチコン」「シロキ」「シリル」「シラン」とシャンプーの裏側に記載のあるものは全てシリコン入りです。上記でも軽く触れましたがシリコンと言うのは髪の毛の【保湿剤】なのです。
乾燥している髪の毛には当然保湿が必要不可欠です。ですが髪質や使用方法によっては髪に蓄積しすぎ、重たくなったりベトベトします。【髪の毛がふんわりしにくい】【トップにボリュームが出ない】などの方はシリコンを使用していないシャンプーをオススメします。
〜美容師がオススメする【市販】で購入できるシャンプー5選〜
【BOTANIST】
「ホワイトバーチウォーター」や「シルバーライムエキス」などの植物由来成分を配合し、滑らかな指通り、ツヤと潤いを与えてくれるシャンプー。
シャンプーとトリートメントに異なる香りを使用しており5種類の選べる質感分けもGood。
「バウンシーボリューム(軽い)」「スカルプクレンズ(軽い)」「スムース(軽い)」「ダメージケア(普通)」「モイスト(重い)」
【ロクシタン】
防腐剤もオーガニックを使用し、添加物を含まないのも特徴のブランド。ハーブの香りが長持ちし、爽やかな印象が持続しやすい。洗浄力が強く、普通肌〜オイリー肌の方にオススメ。
【h&s】
高級アルコール系シャンプー。フルーティーなトップノートの香りから始まり、ミドルノート。ボトムノートと3段階で香りが変化。
シリコン入りシャンプーだが、比較的サラッとした仕上がりでオイリー肌の方にも使えるところが◎。
【ディーセス ノイ】
ミルボンのシャンプーで元々サロン専売品。
今は新しい商品が多数出ている為、ドンキホーテなどで手軽にお安く購入可能に。
シャンプーやトリートメントは勿論、週に1度使う様な「集中パック」などプロ仕様ならではのラインナップも魅力的。香りはフルーティーブーケの香り。シルキー(軽い)、ウィロー(普通)、ヴェロア(重い)と髪質に訳選ぶ事ができる。
【シュワルツコフ】
ここでご紹介するのは3つの種類。こちらも元々サロン専売品。
「BC カラークアシャンプー」…カラー毛専用のシャンプー。色持ちをよくするべく成分配合されていて、仕上がりの質感は普通毛くらいがBest。
「BCクア スペシュフィークシャンプー」…ヘビーなダメージが気になる方にオススメ。保湿力が強く、内部にしっかり成分が行き届くのもいいところ。乾燥やダメージが特に気になる方にオススメ。
「BCクア フォルムコントロールシャンプー」…主に癖毛用。市販で気軽に手に入るシャンプーの中で、このシャンプー以上に癖毛対策として合うシャンプーと出会った事がない。
まとまりの悪さ、広がりが気になる方にオススメ。
マツモトキヨシなどで見かける事がある。
〜まとめ〜
【市販のシャンプーはサロン専売よりも劣る】と行った認識はもはや常識となるレベルで皆様に周知いただいているかもしれません。ですが、ご自身の肌質、次いで肌質に合うシャンプーの種類をお使い頂ければ、市販のシャンプーでもヒットするかもしれません。
「市販のシャンプーはダメだ」と言われる理由をせめてでも知っておかないと「美容師が美容室の商品を売るために言ってるんだ」と私が美容師でなければ勘繰ってしまうかもしれない様な内容です。
「香り」で決めても「流行りのシャンプー」などの理由でお選び頂いても問題ないと思います。
その上で”ワンランク上”の髪質改善や頭皮トラブルを目指す方がサロン専売品をお選び頂ければいいのではないかと思います。また次は【サロン専売品】の特徴やオススメをお届けできればと思います。
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