こんにちは。
現役で美容師をしている私ですが、今回は現場でお客様からご質問の多かった【赤ちゃんの髪の毛の事】、【赤ちゃんの髪の毛切り方】についてご紹介しようと思います。
私も2歳の息子がいますが、初めて髪を切る時のタイミングや、どんなヘアスタイルがいいのか、また、どんな風に切れるのか、現役の美容師をしている私でもかなり悩みました。
理由はいくつかあるのですが、大人のヘアスタイルはスタイリング剤などを用いて完成させる事が基本なので、どうしても「こうしたい」と思うデザインがWAXなどのスタイリング剤を使って完成するものが大半です。”素髪”ベースの乳幼児に「これ可愛い、あれカッコいい」など頭で想像するスタイルが実際は再現しづらいのです。
自分や大人の髪の毛、髪質にみんな慣れているのでそういった”常識”が通用せず、お子様カットの完成時などに思っていた感じと、実際の仕上がりでのギャップを感じられるのことがあるのではないでしょうか。
私も現場で多くのお子様カットの際、その事を説明し理想になるべく近づけるよう努力しています。ですが大人の髪の様にいかないのが現実。。。
ですので、そういったお子様の髪の事を細かく紐解き、最適なスタイルや手入れを把握してご理解頂ければいいなというのもあり今回ご紹介しようと思いました。
〜赤ちゃんの髪の毛の量や時期にはかなりの個人差が…〜
生まれた時から髪がフサフサ…ツルツルちょんっ。
髪の毛は赤ちゃんによってかなりの個人差があります。1歳過ぎでも全然髪が生えてこない赤ちゃんや生後2、3ヶ月でフサフサになる子まで。多くのお子様は2歳過ぎくらいに一通り生えてくるそうです。
「いつ生えてくるの?」「このまま生えないんじゃないかと思った」などよく聞きますが心配いりません。ちゃんと月日の経過で生えてきますし、生え始めの早い遅いで将来に影響されることは全くありません。
髪質に関しては遺伝の要素が大きいので、お父さんお母さんのどちらかが”軟毛”だったり”硬毛”だと赤ちゃんもその遺伝を引き継ぎます。ですがこの段階でお父さんお母さんどちらの髪質の遺伝が大きいかなどは分かりません。
心配せずに赤ちゃんの髪が生えそろってくるまで気長に見守りましょう。
〜乳幼児の散髪のタイミング、いつ頃が理想??〜
この見極めのタイミングは月齢よりも赤ちゃんの髪の長さや、髪のボリュームを目安にする事をオススメします。私の息子の例ですが、生まれた時からフサフサでペタッとした生え方でした。
日毎に髪の毛が立ち始め、1,2ヶ月を経った頃には真っ直ぐ上へ伸びるような生え方に…
美容師の私からすると理解しようの無い原理に思う程真っ直ぐ上へ。
おまけに、前髪は妻譲りの「パカっと前髪」でセンターで別れていました。
どうしたものかと数ヶ月経過観察していましたが、生後3ヶ月を過ぎた頃遂に真っ直ぐ上へ伸びていた髪が重力に勝てずパイナップルのヘタの様に立ち上がりきったところから外へクタっとし始めました。ここが息子の髪の切り時になりました。
結局のところ見た感じであったり、湿疹やお肌の問題、赤ちゃんの状態を見て親判断でいいのです。
多くの方が「耳に髪がかかってきた」タイミングで髪を切る判断をするのではないでしょうか。
女の子の場合、髪を伸ばしていきたいとお考えの親御さんが多いと思います。
ですが、生まれた時期によっては汗疹や皮膚が弱い赤ちゃんですので毛先が首筋などに擦れ、炎症を起こす事もあるそうなので通気性などを考え切りどきを決めると良いと思います。
大体の親御さんは生後3ヶ月〜半年くらいで”初カット”を決心するそうです。
〜自分で切れる?〜
この問いに関しての回答は「はい、切れると思います。」特に生まれて数ヶ月の柔らかい毛質の時は、赤ちゃん用のミニシザーズ(薬局などで売っている)を用いるのが良いと思います。
耳に被った耳周りの髪を被らない長さまで少し切るくらいのカットは、赤ちゃんが寝ている時に耳裏にタオルをひいて切ったり、入浴時の濡れて髪が束になっている時を狙い目に切ったあげると良いと思います。
髪がシルクのように柔らかく、ハサミで切るときに髪が逃げてしまう事があります。そんな時は髪を少し濡らしたり、先ほどの様に入浴時に切るなどが良いでしょう。
勿論、ママとパパで協力し、片方が頭を抑えてあげるなどの工夫もした方がいいです。
他、グズったり機嫌が悪い時はオススメしません。
私も息子が途中でグズり出した事がありましたが、キリが良いところで断念しました。
本格的に”スタイル”を作りたくなる時期には、正直セルフカットはオススメできませんが小まめなメンテナンスくらいでしたら不可能では無いと思います。
〜男の子の簡単な切り方〜
男の子のカットで最も簡単に切れる方法は「バリカン」と「クシ」を使った切り方です。
皮膚が柔らかく、頭皮や耳周りを切るのは怖いと思いますが、不慣れなハサミで過って耳を切るより確実に切れます。
やり方は、切りたい部分の髪をクシですくいます。そのすくった髪をバリカンでシュッと切るでけです。この技法が使えるのは赤ちゃんの髪が柔らかいこの時期にしか使えないやり方です。
きっと切られている赤ちゃん本人は切られている事に気づかないくらいさっと終わります。
耳周りも、切りたい髪をクシですくい、シュッと切れます。耳と髪の間にクシがきますので耳を切ってしまう心配はありません。
私の息子のピンっと上へ伸びた髪のカットもこの技法で切りました。
正直揃い過ぎるので、切ったその時は四角いほうきの先の様になりますが、1度のシャンプーや数日経つと馴染むので問題ありません。
前髪もクシですくう同様のやり方をオススメしますが、揃ってしますのが嫌な方はハサミでギザギザに切る方がいいでしょう。
大人のメンズヘアーは基本、ワックスなどのスタイラーありきの完成です。
ですので【動きのある】スタイルや【骨格修正】などは困難です。
髪の硬さが柔らかく、大人程毛量もありません。故に髪が浮きやすく、切り過ぎると髪が綿菓子のように浮き収まりません。
ですのでどうしてもキノコ頭や坊主頭、大五郎ヘアーなどスタイリング剤を使用しないスタイル、何もしなくても収まるスタイルを作るしかありません。
親として子供にしてあげたいスタイルは”カッコイイ”ものを想像すると思うのですが…
〜女の子の簡単な切り方〜
男の子程頻繁に髪を切る事の少ない女の子ですので、髪を切る時の親御さんのワクワクは大きく、ですが実際中々思い通りにいかないといった経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私が今までに髪を切らせてもらった幼児の女の子は体感ではありますが大きく2種類いました。
まず1つが”超軟毛”。
とても髪が柔らかくそして静電気が立ちやすいのが特徴的でした。
この特徴に当てはまるお子様は絶対に髪を梳(す)いてはいけません。
髪を梳く事は短い毛を生むので、短くなった静電気毛はフワフワと浮遊します。
大人の様にヘアオイルをつけたり、スタイリングできるのであれば大した問題ではないでしょうが、小さなお子さんに毎日スタイリング剤をつけたがる親御さんを見たことがありません。
ですので基本、素髪でOKなスタイルを考えますので、この髪質の場合髪を梳く事はオススメできません。
短い髪が静電気で浮きやすいのであればあまり”レイヤー”的な段を入れたスタイルもオススメできません。ですので段をあまり入れず、自然に仕上がるスタイル…すなわち【ボブ】が小さな女の子のお子様に多いのです。
ある程度まで長さが出てくると選択肢は広がりますが、それまでは頭の上で一つくくりをする「ちょんまげヘアー」や2つくくりヘアーで伸ばすしかありません。
他、前髪の長さを極端に短くする「クレラップの子の前髪」も最近とても人気が高く、全体が伸びるまでの”遊び”の選択肢の1つでは無いでしょうか。
2つ目が”毛量が多いお子様”です。
生まれた時から髪の毛がしっかり生えていて、コシがあります。
ですが大人のように髪の収まりがあるわけではなく、なかなか丸味が出ないのでプロの私でもこの特徴のお子様を完璧に仕上げるのは難しいです。
髪の生え方もそれぞれで、特に襟足部の生え方に”クセ”があるお子様をよく見ます。
毛流が真ん中によってくるような生え方の子などは上向きに髪が生えているため、中々すんなりと収まりません。こうした場合もクセを抑えれるくらいの髪の長さが必要なので少しの期間髪を切らず我慢が必要になります。
髪の長さが広がりを抑えるくらい伸びてくれれば、髪を梳いても大丈夫になります。
ですのでコシがあり、髪が多いお子様の場合も少し伸ばす必要がある訳です。
やはり手入れが簡単で可愛らしいスタイルとして人気が高いのも【ボブ】です。
成長すると髪質も変化しますので、それまでは気長に伸ばしつつ、周りのお子様と差を作るには前髪の長さなどで変化をつける事がいいと思います。
〜まとめ〜
いかがでしたでしょうか。少しマニアックな内容にはなりましたが、お子様カットの参考になれれば嬉しいです。
2歳の息子のファーストカットは生後大凡3,4ヶ月。上でも書いた通りパイナップルのヘタの部分を水平にバリカンでカットしました。8ヶ月を過ぎた頃、肌が弱くすぐに汗疹が出る事が可哀想でせめて髪の毛くらいはサッパリしてあげたいなということで大五郎ヘアーに。
この時期はムチムチさに相まって、行くとこ行くとこでおじいちゃんおばあちゃんに大人気。
かなり昭和の匂いがする風貌でした。
1歳になり、少し”男の子感”が出てきたのでマッシュくらいまで伸ばしました。
この時耳周りの髪の毛が耳にかかり痒いみたく、気にする仕草があったので耳周りだけ耳にかからないように小まめにカットをしてました。この時も赤ちゃん用の爪切りバサミでチョキチョキと。
その後、襟足が首にかかるのを気にしてるみたいだったので首にかからないようにカット。
髪が柔らかくフニャフニャなので特に痒いのでしょう。
2歳にはマッシュヘアーくらいの長さになってたのですが、スッキリさせたいと妻の要望でいわゆる「コボちゃんヘアー」に。前髪を眉くらいの長さに設定しそのラインをきのこの傘部に。耳周りもみあげ付近と首上も全部バリカンの2mmでカット。
中々様になっている様です。
見た目を私は勿論気にしますが、子供のカットはそういった肌事情なども考慮してなるべく最適なカットをする様にしています。
皆様ももしお子様の髪型に頭を悩ますことがあれば、ご自身の担当美容師などに相談するのもいいと思います。
自分で出来る事はお風呂などでササっと切ってしまって構わないですし、小さな内は何をやっても可愛いものです。
お肌がデリケートな乳幼児さんなので、しっかりお子さんの状態を見極め最適な手段で可愛くしてあげて下さい。
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